参加者7名。春に築炉したたたら製鉄の窯の横、地面に小型の炉をつくりました。コロナ禍で長いことたたら場に来ていなかったので、草刈り、窯の修理、炭切作業に並行しておろしがねの炉造りです。また、今日のおろしがね用にノロをかんだケラを割る作業も。この日はいつもの電気が使えず、あわてて地主さんが小型発電機を用意してくれましたが、おろしがね開始が昼過ぎとなりました。それよりも問題は、皆さんがすっかりやり方を忘れていたことです。おろしがね初参加の川之上さんがさとみさんを指導して、キリモミ式火起こしで炉に着火しました。
1回目は、着火後30分経ってから総量2.0kgの小ケラをひとつかみずつ松炭と交互に投入。風量が弱く、また、煉瓦の湿気が多かったためか、できあがったものは3つに分かれましたが、総量1.7kgに。いちばん大きいものが1.0kgでした。
煉瓦も熱いまま、素早く2回目を開始。がまんして20分後に2.0kg投入開始。順調に落ちて行きます。最後の小ケラ投入から送風停止まで30分我慢。ブロアーは弱めですが風量を上げたためか、結果的に上手くまとまりました。取り出すと上面がピカピカの1.6kg の1つの塊になっていました。 ずっしり。
後日、西川さんから以下のコメントをいただきました。「鐵造りは、原料から素材を作り出し、それを材料に加工し次へとつなげていく工程となります。その中の工程「おろしがね」は、直接使えるッにならなかったものを調整して使いやすくするのが目的です。ですので、細かいものを一つにする行程を「纏めガネ」と言います。纏めるんです。くっつけて大きくするのではありません。出来たものは、そのまま鍛えられる品である事が理想です。ノロを除き、鍛える際に潰しやすい形にまとめていく事が肝要です。」