藤野15号だたら (2009.5.10)

 
29kgの砂鉄から6.5kgの収量がありましたが、ケラとしての塊は2.2kgでした。使った砂鉄は山陰花崗岩起源14kg、残りは房総の浜砂鉄です。よいノロを作るため、前半に山陰の砂鉄を使いました。

始めにノロ出しを試みた時にすでに炉底のノロは硬くなっていました。それが後に響きました。前回にうまく行ったので、今回、少し気を抜いていたことは否めません。とにかくノロの流動性をいかに上げるかにかかっていることを痛感しました。

第10回、大野師匠が来てくれた時にはチタン分の多い浜砂鉄を使っていますが、4kgのケラができました。今回も失敗して何もできないという状況ではありませんが、せめて4kgくらいの塊のケラにはしたいものでした。
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8:20に火入れ。とにかく炉の温度を上げるために送風を強くしました。十分に温度が上がったと思われたので1時間後にワリノロ0.4kgを投入。このすぐ後でブロアーの送風口を絞りました。9:30から砂鉄投入を0.5kgずつ始めました。砂鉄と炭の下がり方は順調で炎の色も良かったので砂鉄は0.8kgを3回にし、その後は1.0kgに増やしました。この当たりで炉の状況が悪くなったので砂鉄投入をストップし、温度を回復させようとしました。そして10:50に最初のノロ出しを試みました。

しかし炎の色が戻ったので、その後の砂鉄投入はまた0.5kgから続けました。その後は順調に炭も砂鉄も下りていくのでノロ出しは行わず、砂鉄投入を続けました。ところが間もなく炎の色が悪くなったので2度目のノロ出しを試みました(12:25)。しかし、やはり硬いノロでした。13:30に3度目のノロ出しをしましたが、出てきたノロはノロ出し棒に付着した状態で、サラサラしたノロではありませんでした。その後炭と砂鉄の下り方が極端に悪くなったので、操業はここまでと判断しました。

操業の日は最高気温が28度と高く、5月だというのに暑い日でした。そのために炉の温度が十分に上がったと勘違いしてしまったかもしれません。火入れから砂鉄投入までに1時間くらいというのは短すぎだったようです。また、炉の作り方、釜土が乾燥して大きなヒビが入ったり、羽口の角度も相当いい加減だったし・・。。

ただ、わけがわからずやみくもに失敗した感じはなく、次に直す点が整理されてよくわかったこと、送風がいかに重要かもよくわかりましたので、「経験を積んだ」という感じです。

やはり「たたら製鉄は難しい」ですが、本当におもしろいものです・・・・。



 

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