藤野16号だたら (2009.12.6)

 
今回の操業で使った砂鉄は某氏が2000年に購入していた島根県旧吉田村の真砂砂鉄です。水を含ませた投入総量は27kg弱です。結果、収量は8.2kgでした。前回と最も違うのは、炉のサイズをやや大きくし、内壁を厚くしたこと。

収量から言えば悪くないのですが、2kg弱のケラが2つと後は小さな物です。原因はとにかくノロが粘いことでした。今回の炉は大野師匠のサイズではなくて、西川さんの炉のサイズに合わせ、土をたくさん使って作りました。そのためか窯土がたくさん溶けて、炉を解体してびっくりしたのですが、大きなボールのような固まりになっていたことです。今までと違い、これを割るのがものすごく大変でした。

操業では砂鉄も炭も順調に落ちていくので、不安なく投入していました。しかし、途中で落ち方が悪くなり、炎の色が悪くなったのでノロ出しを試みました。でも、粘くてダメでした。
そこで操業羽口に切り換えました。最後のノロ出しの時は粘性が低いノロになりましたので、何もできていないことはないとは思っていました。

黒鉄会の大きな課題は炉底温度を上げてサラサラのノロを作ることです。
しかし、これが難しい! 送風量を上げるかどうかがまず問題です。
次の課題は、窯土に蛙目粘土を入れていますが、たくさん入れると耐火温度が上がり、よほど温度を上げないと粘くなることです。本当に難しい・・・・。

大野師匠が来て下さった時の資料をみながらやったのですが、その時もノロが粘くて、固まったノロを炉底として操業羽口に切り換えたと記されていました。それでも4.5kgくらいのケラをつくっているのです。さすがです!

 

操業風景。

 

久しぶりに見る、流れるノロ。

 

解体時にまず外壁の土を外す。内壁を厚くしたために煉瓦が痛まず、外壁がきれいにはがれた。

 

煉瓦を外すと大きな固まりが・・。ここから先、なかなか壊れない。

 

主な成果物。もっとも重いものが1.95キロ。

 

こんなかわいいものも・・。



 

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