炉作りは3/10でした。操業は3/31を予定していましたが、悪天候で延期しておりました。
前日から2名が泊まり込みで乾燥作業。夜間はずいぶんと冷えましたが、朝からよい天気です。ウグイスがさえずり、ヤマブキやスミレなどが咲き、桜も舞い散るよい天気でした。参加者は5名。
今回は松炭に余裕がありません。これまで購入していた岩手県のチャコさんから調達できる最後の切炭だったようで、サイズもいろいろです。前回の残りを合わせ、今回は2.5cm角4袋、3cm角4袋、4cm角1.5袋で全部です(1袋=10キロ)。みんなで考えブロアの風量を調整しながら、使い分けたり混ぜたりしました。後日、西川さんより「炉の設計上の最大風量を超えないように」とのお言葉をいただきました。大丈夫だったと思います。
08:25、炉内の清掃をしてから火入れ。材料は前回と同様、秩父鉱山産の磁鉄鉱からスタート。前半の磁鉄鉱は0.6キロから。後半は房総産の砂鉄です。
10:25、最初の磁鉄鉱投入。ここまで火入れからじっくり2時間待ちました。この時点で炭を3.5袋消費(足りるか不安の声)。炎を見て、時折詰まる羽口をつついて確認。
11:50、時間的にはまだ早いものの、どうしようもなく始業羽口から操業羽口に切り替え。この切り替えのタイミングはむずかしく、いつも議論になります。
12:16、最初のノロ出し。粘いノロがごく少量。ここまで磁鉄鉱を11キロいれました。ここから砂鉄に切り替えました。まずは1キロから、そして徐々に1.5キロへ上げました。
12:37、羽口を突っつくと掻き出し棒にノロがくっついてきました。
12:57、2度目のノロ出しではノロがトロトロ。中程度の粘性です。満足しないもののまずは一安心。
13:01、羽口を突っつくと粒鉄がパチパチはねていました。
13:12、操業羽口が詰まってきたので、上段の羽口に切り替え。
13:57、以前にも経験しましたが、ボコボコと沸騰したような音がしました。
14:13、3度目のノロ出し。ノロが粘い。強引に突っ込んだので、掻き出し棒が抜けなくなりました。
14:17、ここで砂鉄投入終了。ここまでで砂鉄は24キロです。細かすぎて炉の周りにいっぱい砂鉄がとんでいます。いくら湿らせても同じでした。
14:38、最後の炭投入。ここから送風停止までじっくり1時間待つことにします。
14:57、火伏せ。
15:38、煙突をはずして送風停止。
15:48、炉の解体を始めました。焦ることなく、何かはできているだろうと確信がありました。ただ、それがまとまってずっしりしているかどうか、が問題です。解体していくとわりとレンガが食われておらず、前回に比べ解体作業が楽でした。炉底も丸くきれいに残っていました。
最後に大きな塊が・・・・。でもちょっと軽いかな、と不安がよぎる。。
できるだけノロを取り除いて丸ごとドラム缶にぶち込む。いよいよハンマーでたたいてノロを外しにかかる。すると、いくつもの塊が出てきました。最大のものは1.7キロ。総量では5.2キロの収量でした。これが一塊にまとまっていればどんなによかったか。総投入量は磁鉄鉱11キロ+砂鉄24キロでこれまでよりも多いのですが、風で飛んでしまったこともあり、歩留まりは低いままでした。温度が十分に上がらずノロが粘かったのは間違いないと思います。第20回と第21回のさらさらのノロが出来た状態を再現できませんでした。20回はすべて房総産の砂鉄、21回は秩父産の磁鉄鉱でした。次回も温度を上げるのが課題で、羽口の風の通りを保つのが重要でしょう。
解体作業。ノロの掻き出し棒がくっついたまま。
炉の底です。
ハンマーで解体。もう少しレンガを外す。みんなでこんこん。磁石で粒鉄を拾う。本日の収穫。