鷲羽・雲ノ平火山

 

雲ノ平火山:黒部川と岩苔小谷に囲まれた雲ノ平と祖父岳を中心とする火山である.雲ノ平は標高2,400-2,600mの溶岩台地であるが,噴火口は残っていない.最高地点は祖父岳であり,標高2,825mに達する.雲ノ平と祖父岳の周囲は南西斜面(祖父沢・祖母沢付近)を除いてはいずれも急崖になっており,基盤岩からなる周囲の峰々とは深い渓谷(黒部川及びその支流の岩苔小谷)を挟んで対峙している.雲ノ平北西部では,溶岩台地と黒部川現河床の標高差は600mに達する.
 雲ノ平火山は,岩苔小谷溶岩類(旧成層火山体)と新期噴出物(祖父岳下部アグルチネート・祖父岳溶岩・祖父岳上部アグルチネート・雲ノ平溶岩)に分けられる.両者の間には厚い雲ノ平礫層が挟まれる.なお,旧成層火山体を復元するとその噴出量は約0.7立方km,新期の噴出物は合わせて2.5立方km以上と推定される.雲ノ平の旧成層火山体は100-90万年前,新期火山は約30万年前から約10万年前まで活動した.両者の間の活動休止期間が約60万年あると推定されることから,両者を別の火山とすべきであるが,ここでは雲ノ平火山として一括する.

雲ノ平火山の噴出物の層序関係. 原山・竹内・中野ほか(1991)の第75図

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