焼岳と上高地 (1999年9月)
焼岳(標高2455m)は、最近では北アルプスで一番活発に噴火している火山です。このところ白い“煙”(ほとんどは硫化水素を含む水蒸気です)が少し上がっているだけですが、明治時代になってから1963年(昭和38年)までは何度も噴火していました。そのほとんどが、マグマは地表に噴き出さずに、高温高圧の地下水が一気に膨張して爆発するという水蒸気爆発ですが、降り積もった火山灰が雨で流されて泥流が発生することもよくありました。多い時は1年間に30回も噴火したことがありますし、山頂からでている水蒸気ガスの温度が400度を超えていたこともあります。
1963年以来、焼岳は噴火していません。最近、山頂までの登山もできるようになり、登山道も整備されて多くの登山者が山頂へ向かっています。しかし、1995年2月、ふもとの中ノ湯で水蒸気爆発がおこり、トンネル・道路の工事をしていた人たちが土砂の下に生き埋めとなり、4人の方がなくなりました。平湯温泉、中尾温泉や新穂高温泉などの奥飛騨温泉郷は焼岳火山の恵みですが、この山はいつまた噴火してもおかしくはない火山です。なお、私自身はこの火山については詳しい調査は行っておりません。ここでは風景写真を中心にお届けします。ここでは
手前が焼岳、山頂の白いガスが見えます。奥は乗鞍岳。