三宅島、2001年1月22日午前の状況

ヘリコプター(警視庁ヘリ、おおとり5号)による観察:同乗者は大野さん(日大)

東京ヘリポート出発9:00。三宅島観測時間は9:55〜10:21。途中からカルデラ内の視界が悪くなり、いったん島を離れ、御蔵島に向かう。10:42〜10:46、カルデラ内の再度の観察を試みるが、ガスが充満してきてあきらめる。その後、神津島に立ち寄り、給油。東京へリポート帰着12:23。画像をクリックすると大きな画像を表示します。

噴煙の様子  南縁の主火口から白色噴煙が連続的に噴出(写真1、2、3)。風が弱くほぼ直上に上昇(写真1)。 高度1000-1500m付近に雲があり、それを突き抜けて噴煙高度は 約2000m (御蔵島からの目測、写真2)。上空ではやや東に流れている。 青白いガスはカルデラ縁から北西方向に斜面に沿って流れ、 一部はカルデラ内を充満する。雲のあたりを境に風向きが変化しているらしい。

カルデラ内の様子  北西側にあったマウンド(高くなった?、ような気がする)の 南側に真っ黒い物体が広がる(写真4)。その正体はヘリ観察時にも判断できず、さらに気象庁でビデオを見直してもなんであるのか決定的な証拠がなかった。固結したアア溶岩?、まさか、とも思ったりもした。しかし、島状に孤立した黒い箇所もあるので、ほんものの溶岩とは考えにくかった。その後、 気象庁から、1月10日の 映像に映っていた水たまりと形状が似ていることが判明した(このときの水溜まりの色は茶色)、と連絡があった。翌日(23日)、やや面積が狭いものの同様の黒色の水たまりが12月29日撮影の川辺氏撮影画像にもあった。その写真では見えないが、1月22日の写真では“水たまり”の南側には東西に連続した断差ができているらしい(写真5)。断層崖か? 。カルデラ壁には溶岩の成層構造と縦にのびる岩脈、貫入岩体が顕著に見えた(写真6)。

カルデラ外の様子  南側の亀裂:カルデラ縁との距離は小さくなったようで、12月25日時点の半分程度か(写真7、8)。崩落が進んでいると思われる。 スオウ穴の水たまり:以前のような赤みはまったくなく、やや緑がかった灰色になっていた(写真9)。 その西側斜面の2-3本?の亀裂:どの程度変化したかは未確認(写真10)。

 

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