番号: 225  採取日:2023-04-15  産地:長崎県 対馬市 上対馬町琴(茂木浜)
(北緯:34.568935、東経:129.469113)

対馬の上島の数少ない砂浜だ。対馬には日露戦争(1904〜05年)後に造られた旧日本軍の砲台跡がたくさんあるのだが、この浜では意外なものを見た。日露戦争時に撃沈されたロシア装甲艦から脱出した99名がこの浜にボートで上陸したという。この海戦はこの戦争中の最大規模の艦隊決戦であり、ロシアのバルチック艦隊の艦艇のほぼ全てを損失させたのだ。1980年、この装甲艦(アドミナル・ナヒモフ号)が引き上げられた。金塊は見つからなかったが、砲身が引き上げられ、海側を向いて置かれている。じつは対馬に来ていちばん見たかったもの、それは西側の海岸にある「女連(うなつら)の立岩」だ。海岸に沿って500m歩かないと見えてこない奇岩である。この奇岩を見た後、島を東西に横切ってこの浜に来た、といってもそんな単純な道路はないのが山がちなこの島の特徴だ。なんとなく、砲身と立岩が似ているところがある。

(撮影:中野 俊)

 

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