番号: 287 採取日:2024-05-26 産地:北海道 根室市 花咲港
(北緯:43.279521、東経:145.588138)花咲灯台直下の浜。国指定の天然記念物「根室車石」を観察後、この浜に下り立った。この浜のあたりは柱状節理と板状節理のあるシート状の溶岩のようだ。さて、先ほどまで観察していた根室車石はどれを指すのか曖昧だった。現地の解説板を読むと直径6m ほどの放射状節理が発達した大きなドーム状の塊だけではなく、その下位に露出する多数の枕状溶岩(直径1m程度、こちらも放射状節理を持つ)をも含むようだ。また、未固結の砂泥に入り込んだ岩床あるいは海底を流れた溶岩とも書いてある。だが、ネットで北海道地質百選を調べると「根室車石」と「花咲岬の枕状溶岩」は別項目となっている。「道東の自然を歩く」(北海道図書刊行会、1999年)では、根室車石は板状(シート状)溶岩の一部とし、その先端部は枕状溶岩となっているらしい。さて両者の関係は? 時間がなくてそこまで露頭を丁寧に観察しなかったことを悔いる。「見る 感じる 驚く! 道東の地形と地質」(前田 寿嗣、2022、北海道新聞社)では、どちらも含んで根室車石で、上位の大きな車石はシート状溶岩の盛り上がったもの、下位の小さいたくさんの車石が枕状溶岩と記述されており、この説明がいちばんすっきりする。
(撮影:中野 俊)
拡大写真(横幅 4 mm)
出典:富山市科学博物館画像ライブラリー、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)のもとに掲載を許諾されています。