小臥蛇島


 小臥蛇島火山は後期更新世の角閃石デイサイトの溶岩ドームであり、2-3万年前のK-Ar年代が報告されている。デイサイトには斑晶として角閃石のほか、黒雲母・石英・かんらん石が含まれることがあり、トカラ列島ではこの島以外では産出しない特異な岩石である。この島は四方を断崖絶壁に囲まれ、西側では未変質であるが、東側では熱水変質が著しく、数ヶ所での噴気活動と小規模な温泉湧出が確認されている。なお、西暦1700年前後及び1830年代にそれぞれ作成された元禄国絵図及び天保国絵図(国立公文書館所蔵)では、いずれも小臥蛇島に噴気が描かれており、その当時は噴気活動がより激しかったことがうかがえる。

 

引用文献

松本ほか(2006)、及川・中野(2008)

中野・下司(2008)鹿児島県トカラ列島,小臥蛇島火山の概要。地調研報、vol. 59、p. 197-201.

 

 

 

Back