横当島及び上ノ根島


 横当島及び上ノ根島は後期更新世ないし完新世の火山島で、いずれも輝石安山岩からなる。横当島東方には、直径約7×10kmの海底カルデラと推定される凹地が存在し、横当島及び上ノ根島は後カルデラ火山であると考えられる。海底カルデラ及び両島の火山活動年代を決定する資料は得られていない。

 横当島は西峰火山と東峰火山の2つの火山が接合している。西峰火山は山頂部に浅い火口地形を持つ成層火山である。山頂火口の一部を破壊して小規模な溶岩ドームが成長している。東峰火山は山頂に直径約350 mの円筒状の火口を持つ成層火山である。火山弾・スコリアなどの火砕物が表層を覆う平滑な火山体斜面地形がよく保存されており、火口地形の新鮮さからも、完新世まで火山活動が続いていたことは確実である。島の中心部、両火山の接合部で、東峰火山噴出物が西峰火山噴出物を覆うことが確認されている。上ノ根島火山も山頂部に直径約200 m の火口を持つ成層火山である。海食が進むが、北側斜面及び南東の半島突端には火砕物が表層を薄く覆う火山体斜面の原面が残されている。西峰火山も上ノ根島火山も、いずれも東峰火山よりもそれほど古くない火山体であると考えられ、その活動時代を後期更新世ないし完新世とする。

 現在、これらの火山では噴気活動は認められないが、西暦1700年前後及び1830年代に作成された元禄国絵図及び天保国絵図(国立公文書館所蔵)では、いずれも横当島の東峰山頂に噴気が描かれている。また、幕末に書かれた「南島雑話」(名越左源太、東洋文庫432「南島雑話2」平凡社刊)にも噴気の存在をうかがわせる記述が残されている。これらのことから、明治以前には東峰火山に噴気活動が存在した可能性が高いと考えられる。横当島の北海岸部では、40-45℃の温泉が湧出している。また、南の海岸部でも変色海水が見られる。

 

引用文献

松本・松本(1966)、海上保安庁(1987)、成尾(2001)、及川・中野(2008)

 

北側から横当島に上陸。漁船から2人乗りのカヤックへ。

 

横当島上陸寸前の2人乗りカヤック。前田船長が漕ぐ。

 

巨弾な火山弾。横当島東峰火山の最新のマグマ噴火か?

 

横当島西峰で見かけた野生の山羊。

 

上ノ根島西岸の洞窟。トレジャーハンターが掘ったという。

 

上ノ根島北側の起伏のない緩斜面。最上部を火砕物が覆う。緩斜面上部の白い点は野生の山羊。

 

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