丸石クラブはこうやってできた

「丸石にめざめた日」 

4、丸石の価値発見
 「しかし、この海岸は本当にたくさん、丸いのがあるなあ。ヒスイ拾いじゃなくても丸い石だけでもおもしろいと思うけどな。さらにこれが何岩かなんて考えたらもっとおもしろいよね。これは子どもでも楽しめると思わない? 子どもでも自然に地質学に触れられていいかもよ。」
 と私はSに<丸い石>の興味を強く訴え始めた。もう、こうなってくると止まらない・・・、
「この丸い石はまるで野球のボールのようで形がいいですね。なかなか、これだけのきれいな球体はめずらしいですな。品質は安山岩ですな。見事です! こちらはずいぶん大きいですね。この形は平べったいですが、この薄さはなかなか景色がいいですな、漬け物石にもぴったりですよ。ムムム、これはよく近づいて見ると花崗岩の中にガーネットが入っていまよ。すばらしい! どれ、お次は・・・、これは形といい大きさといいフットボールですな。この岩石は何でしょうかねえ、丸石鑑定家のSさん、いかがですか?」
「これは花崗閃緑岩ですね。採取地はどこでしょうね」
「今日の品評会に出された申込用紙には明記されていなんですよ。さて、次はちょっと変わった色ですが、これはピンク花崗岩でよろしいでしょうか」
「はあ、学名ではありませんが、通称ではそれでよいでしょう」
「これは何となく丸石でもとんがり山のような形でほほえましいですね。いや、驚きますね、次の丸石は上下に2つ重ねてありますが、まるで正月の鏡餅みたいですよ。ホホホ〜、これはお見事! ところでと、この隣の小さな丸石は直径が2cmくらいですから大きさとしては小さいですが、蛇紋岩でこれだけ形のよい丸石は貴重ですね。いかがですか、丸石鑑定家のSさん」
「そうですね、少し形にゆがみがありますが、それはそれでおもしろいですね」
「そうですね、蛇紋岩らしいというか、これは景色として楽めますな。それでは次の石、これは珍しい、この黒い丸石はひょっとして玄武岩ですか」
「確かにこれは玄武岩です。しかしこれは伊豆七島の大島の礫浜でたくさん見られますよ」
「そうなんですか、ところで丸石鑑定家のSさん、全国丸石採取地図はどのくらいできているのでしょうか」
「いや、何しろ情報は全国の方からの情報が頼りですから、まだこれからなんです」
「そうですか、我々、丸石愛好家としてはぜひ全国丸石採取地図ができたら嬉しいですね。この際、この会場においでのみなさま、ぜひ、丸石の情報をお寄せください。また、お知り合いの方々にもお声をかけてください」

(続く)

●<丸石クラブ>のホームページはこちらにもあります。
http://www.macoto.com

●どこか<丸石>が自然にできている場所を知っている方はお知らせください。
写真もあれば助かります。
どんな岩石かが判定できる場合は、その情報もお寄せください。


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