1984年9月14日,長野県西部地震(M6.8)に揺すられて,御嶽火山南部一体で斜面崩壊がおこりました.このうち,伝上川の上流域では最大の崩壊がおこりました.これを御嶽くずれといいます.くずれた部分が平均時速80kmに達する岩屑なだれ(大小さまざまな岩の破片の高速な流れ)として流下し,谷沿いに下った下流域では土石流となって30人以上の犠牲者を含む大きな被害をもたらしました.濁川温泉もこの時に消え去りました.
このような山体の崩壊は過去においても頻繁におこっています.この1984年の大崩落崖は,すでに存在していた崩落崖がさらに拡大したものです.1932年には,御嶽山西麓の濁河川で大規模な土石流が発生していますし,また,1952年の地震でも,王滝川支流濁川上流で斜面崩壊がおこっています.
1984年以前にも崖がありました(1982年)
上の写真と比べてみてください(1984年)
空から見たところ(1997年)
崩落崖近景
崩れた岩屑が通り過ぎた跡
そこには大小様々な岩塊が・・・