約46億年前,微惑星(隕石)が集まって原始地球を形成した

 

隕石 ≒ FeNi合金(Ni>4%)+ 珪酸塩鉱物

初期地球 ≒  核  + マントル

   


 45.6億年前,微惑星(隕石)が集まって原始地球が形成された.鉄元素(Fe)は,FeNi合金(隕鉄;鉄とニッケルの合金),珪酸塩鉱物(かんらん石・輝石など),硫化鉄,酸化鉄に含まれていた. 隕石の集積過程が終了した段階で,微惑星の衝突エネルギーによる発熱によって,地球表面から半径の3〜4割程度の深さまでは地球は溶融状態であった.これをマグマオーシャン(マグマの海)と呼ぶ.

 FeNi合金(固体)は重いため,地球の中心に向かって沈降し,核を形成した.単純には,沈積したFeNi合金を取り除いた部分,主に珪酸塩鉱物が溶融した珪酸塩メルト(溶液)が冷却により固結し(溶融状態のマグマがすべて結晶になる),それがマントルになったと思えばよい.

 マグマオーシャンからは気体が抜け出たが(脱ガス),その中にはH2OやHClなどさまざまなものを含んでいた.これが原始大気である.冷却が進みマグマオーシャンの表層が固結し,さらに地表の温度が水の臨界温度(647K〈絶対温度〉:飽和蒸気が液化する温度)以下になると,水蒸気が凝縮して原始海洋を形成した.そこではHCl (塩酸;高温の水にもよく溶ける)が溶解し,希塩酸の海になったが,ただちに海底の岩石と反応して中和し,NaCl(塩化ナトリウム)を主体とする海水ができた.(地球ができてから8億年以内に海はできていたと考えられている.なぜならば,少なくとも38億年前には海底にたまった堆積岩があったことがわかっているから)

 私たちがふだん目にする岩石は大部分が珪酸塩鉱物の集合体で,少量の酸化物・炭酸塩鉱物・硫化物などを含んでいる.珪酸塩鉱物とは,珪酸(SiO2)とある金属酸化物が結びついてできた化合物.たとえば,SiO2とMgOが結びついてMgSiO3(輝石の一種).酸化物は酸素と,硫化物は硫黄と結びついた化合物.

 
原始太陽系星雲(ガス)からの温度降下にともなう固体粒子の凝縮

1850K
Os, Zr, Reなどの金属の凝集

コランダム Al2O3
ペロブスカイト CaTiO3
ゲーレナイト Ca2Al2SiO7

Al2O3,CaTiO3がガスと反応して以下の鉱物が生成
メリライト(Ca2Al2SiO7−Ca2MgSi2O7)
スピネル MgAl2O4
アノーサイト CaAl2Si2O8

<1400K
FeNi合金
フォルステライト Mg2SiO4 (かんらん石)

エンスタタイト MgSiO3(輝石)

<1200K
アノーサイト+Na(K) →斜長石

<700K
トロイライト FeS (磁硫鉄鉱のうち,ほとんどFeSのもの)

<400K
磁鉄鉱 Fe3O4

<350K
含水珪酸塩,有機物

<200K
H2O(氷),CH4,NH3の水和物
  

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