3.4 3番目にできた火山

東鳥海(ステージIIIa): 約2万年前に活動の中心が東に移動し,現在の新山付近を中心とした活動になった.これが東鳥海の本格的な活動期の始まりである.大量の溶岩を流出しており,七高山の直下などのカルデラ壁には,溶岩が累々と積み重なっているのがよくみえる(写真4).東鳥海の最高高度は2400-2500mに達し,富士山型の美しい円錐形をしていたと推定される.

写真4:東鳥海馬蹄形カルデラ壁にみられる溶岩の成層構造(七高山北崖)

富士山のような形のととのった山だった?!

猿穴火口(ステージIIIa): 一時的に西鳥海の西山腹で側火口が活動し,溶岩を流出した.猿穴火口は以前(ステージIIb)に活動した側火口群の配列上にある.江戸時代の旧跡,有耶無耶の関祉のある三崎海岸はこの溶岩流からなっており,日本海に突出した岬になっている.なお,庭石として利用されている鳥海石または女鹿石は,この溶岩流の地表面に近い部分(クリンカー)から採取されている.

(続く)

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