鷲羽池火山

 鷲羽池火山は船津花崗岩類からなる鷲羽岳(2,924m)の南東斜面に噴出した約12万年前以降の火山である.鷲羽岳自身は花崗岩の山である.直径250-300mの明瞭な火口(鷲羽池火口)があり,火口縁の標高は2,750-2,790mである.火口から南東方向に溶岩を流出しているが,少なくとも湯俣川の標高1,850m付近まで達している.
 鷲羽池火山は下位から赤沢溶岩・鷲羽池溶岩・鷲羽池スコリア及び爆発角礫層からなる.噴出中心は現在の鷲羽池付近である.侵食部分を復元した推定噴出量は,約0.15立方kmである.
 鷲羽池火口では1万年以内に活動したという情報がある.ただし,その研究が公表されていないので未確認である.約12万年前というのはいちばん古い赤沢溶岩の噴出時代.

鷲羽池と火口壁

鷲羽池火口から南東(右)へ溶岩流が流れている

鷲羽池火口縁に分布する鷲羽池スコリア
ほとんど崩れ去っている.


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